向井潤吉『花と龍』挿絵原画特集 公開中です!

08 20, 2014
向井潤吉『花と龍』挿絵原画特集 Part2を公開しております!

2014年新春にPart1を公開し、
ご好評いただいた「向井潤吉『花と龍』挿絵原画特集」。
8月より、 待望のPart2、約80点の作品をオンラインストアにて公開しております。
http://www.rakuten.co.jp/shibunkaku/

向井潤吉は、茅葺き屋根の古民家を描き続けた油彩画家として、
非常に人気の高い作家です。今回ご紹介するのは、
昭和27から28年まで小説『花と龍』が讀賣新聞朝刊に連載されていた際、
挿絵として描かれた作品です。
風景・静物・人物などがひとつひとつ丁寧な筆致で描かれ、
潤吉の卓越した描写力が遺憾なく発揮されています。

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【第二百七十一回挿絵 「若松公会堂」】

Part1では、明治時代の情景が描かれた物語前半部分をご紹介いたしましたが、
今回は昭和初期の風俗等が描かれた物語後半部分の原画約80点を追加しております。

今回の展示作品では、八幡製鉄所のあった北九州の情景の他、皇居周辺や浅草など東京の
様子も描かれています。
また、街路や船着場、小料理屋や日常の家庭の様子など、昔懐かしい昭和風俗も見どころです。

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【第二百十回挿絵 「傘をさす姉妹」】

なかには、鉛筆で書かれた下絵が残っている作品もあり、構図を推敲し、
変更したあとを追うことができます。
作家の息遣いを間近で感じることができるのが原画ならではの醍醐味です。

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【第三百十三回挿絵 「車力」】(部分)

挿絵の主題となっている小説『花と龍』は、芥川賞作家 火野葦平による自伝的
小説です。新聞連載中には大きな話題となり、その後たびたび映画化やドラマ
化されました。
新聞連載にあたっては、324話すべてに向井潤吉による挿絵が添えられ、
当時の風俗や物語の世界観が生き生きと映し出されています。

今では存在しない昭和の建造物や風景も、向井潤吉にとっては自ら目の当たり
にしていた光景。細やかな筆致から、当時の空気感を堪能していただくことができます。

本展覧会の作品は、思文閣オンラインストアのほか、実店舗のぎゃらりぃ思文閣でも
ご覧いただけます。

展示の様子は こちらからご覧いただけます。

向井潤吉の画業、ぜひこの機会にご覧くださいませ。

初商い

08 11, 2014
昨年入社の営業社員、寺田君が先日「初商い」をしてきました。

私事ながら、思い返せば私の初商いは熊本県北部にある某市の某病院の奥様でした。入社2年目、平成11年のことです。

その当時、熊本の地元百貨店に毎年6月と11月に約1ヶ月間の長期出張をして、百貨店の外商さんとお客様宅を訪問販売して歩くという試練(?)を課せられていた私ですが
入社当初は今にも増してどんくさい上に、要領も悪い、知識もない、極度の人見知り、見た目がパッとしない…という悪条件が重なり、一回目、二回目と結果は散々でした。

お客様のお宅に訪問する以前に、まず身内であるはずの外商さんの事務所でろくに相手にされず、当時私が同行させていただいていた上司にばかり商談が集中し、
挙句の果てにはあるベテラン外商さんから「ヌシ(君)と回ったばってん売れんもんね、今日は遊んでてヨカよ」と冷たく言い放たれ、美術画廊にほったらかしにされ、今だから言えますが熊本市内の上通商店街の漫画喫茶で『キン肉マン』を全巻制覇したこともありました。もちろん一日で、です。後日『タッチ』に挑戦したこともあったと思います。

私と同期の営業が、他の百貨店で次々に商談を成立させている状況で、「もうやめよっかな、この会社」と思っていた矢先、
当時30代後半の外商さんが「一軒連れてってあげるけん、今からヨカね?」と声をかけてもらってお邪魔したのが、前述の病院でした。

初商いの作品は徳富蘇峰の達磨の自画賛でしたが、そちらの病院の奥様に
「あなたがそんなに奨めてくれるなら」と言っていただいたのを今でも覚えています。

もう今ではほとんどの方が百貨店を定年退職されたと風の噂で聞いておりますが、当時のその熊本のベテラン外商さん連中には苦汁をなめさせられたとその当時は恨みもしましたが、「拾う神あり」でした。
結局今まで16年この会社に在籍し、その後もいろいろな局面で退職が頭をよぎったこともありましたが、思いとどまったのはいろんなお客様の一言だったと思います。


…で、寺田君がそのはじめて一人で商談に行く前日、思い悩み、緊張している彼に
「たぶん売れへんし、売れたら焼肉おごったるわ」と冷やかしで言ってしまったがために、今度焼肉に連れて行く破目になりました。

嫌な上司になりました。

(入江)

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「黒田征太郎 コヨーテ展」 京都にて開催中です!

07 23, 2014
京都・ぎゃらりぃ思文閣では、「黒田征太郎 コヨーテ展」を開催しております!

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今回ご紹介するのは、黒田征太郎氏が雑誌『Coyote』の編集長に宛て、
1年数か月に渡り毎日のように送っていた「コヨーテ」の絵です。

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当時休刊していた雑誌『Coyote』の、復活の道しるべになるように…
という想いのもと描かれた作品のうち、今回は約100点をご紹介しています。

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今回の個展の見どころは、全ての作品に動物の「コヨーテ」が描かれているのに、
それぞれが全く違う作品に仕上がっているということです。

繊細な線を重ねて表現したものもあれば、大胆に絵具をたたきつけたようなものもあり、
画材もクレヨン・ペン・水彩・コラージュなど、実に様々です。
画面全体からコヨーテの個性が感じられ、黒田氏の表現力の幅に驚かされます。

先日は、ぎゃらりぃ思文閣に黒田征太郎氏が来廊されました。
黒田氏は、めったに個展には顔を出されないそうです。
先生とお話できる貴重な機会に、多くの方にお越しいただきました。

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写真は、来場されたお子さんから絵の描き方について質問があった時に、
実演しながら説明していただいているご様子です。
とても和やかな雰囲気。

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こちらは、黒田氏が即興で描いたコヨーテに、来場されたお子さんが塗り絵をされている場面。
お子さんの自由な色使いに触発された黒田氏が絵を描き足しています。
まさにアートセッション!
未来の芸術家、誕生の瞬間だったかもしれません。

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黒田氏ご自身も、会場での時間をとても楽しまれ、
急遽、思文閣銀座の会期中にもご在廊いただけることになりました!

黒田氏の在廊日程や、個展の近況などの最新情報は
こちらからお知らせいたします!

京都での会期は今週末、27日まで。
その後、福岡・銀座に巡回いたします。

ぜひ、たくさんのコヨーテに会いに、会場へお越しくださいませ!

【京都】
会場:ぎゃらりぃ思文閣
会期:2014年7月13日(日) ~ 27日(日) 10:00-18:00 会期中無休
地図:http://www.shibunkaku.co.jp/gallery/access.html

【福岡】
会場:思文閣福岡
会期:2014年8月23日(土) ~ 30日(土) 10:00-18:00 会期中無休
地図:http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html

【東京】
会場:思文閣銀座
会期:2014年9月13日(土) ~ 21日(日) 10:00-18:00 会期中無休
地図:http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html

『川村悦子「蓮×聯」(れん×れん)』 思文閣銀座にて始まりました

07 12, 2014
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ぎゃらりぃ思文閣(京都)でたくさんの方にお越し頂きました『川村悦子「蓮×聯」(れん×れん)』。
このたび思文閣銀座に巡回してまいりました。
今回ご覧頂きますのは洋画家・川村悦子氏による油彩と水彩の蓮の掛軸。
「聯(れん)」という大変細長い形の軸が「離合幅」に仕立てられています。
「離合幅」とは、それぞれの画幅が独立した作品でありながら、複数を並べることによって一つの景観を形成する掛軸の形式をいいます。

風に葉が揺れる音。水の気配。銀座の地下に蓮池が現れました。

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軸と軸を連ねた際に生じる余白に視線を絡め、より新たな印象が生まれてほしい、と川村氏は語ります。

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いつも空気のような存在である壁に表現性を感じるのは、「聯」という形が生み出すものでしょう。

思文閣銀座での会期は7月20日(日)まで。その後、思文閣福岡へと巡回します。
皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。

【思文閣銀座】
会期: 2014年7月10日(木)~20日(日) 10:00~18:00 会期中無休
地図http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html
【思文閣福岡】
会期: 2014年7月26日(土)~30日(水) 10:00~18:00 会期中無休
地図 http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html#fukuoka

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川村悦子「蓮×聯」 開催いたします!

06 20, 2014
ぎゃらりぃ思文閣では 明日、6月21日(土)より7月6日(日)まで
『川村悦子「蓮×聯」(れん×れん)』を開催いたします。

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聯(れん)とは、書初めなどに使われる半切という紙をさらに縦半分にした大きさを言います。
今回は、情緒あふれる写実画を油彩で描く川村悦子氏に、
極端に細長い、しかも和紙に絵を描くという今までにないお願いをいたしました。

油彩作品を軸装するという挑戦は試行錯誤の連続でしたが、
出来上がった作品は想像を超えた素晴らしいものとなりました。
川村氏の描いた、蓮池や草の茂みなどの大きな空間がごく細長い聯の形に切り取られることで、
描かれていない部分への想像が広がり、植物の息遣いが画面を超えて空間を満たします。

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油彩の画中への押印も、一筋縄ではいかなかったことのひとつです。
様々な方法を考えましたが、印泥の代わりに金や銀の油絵具を用いることにより
無事、全作品に押印していただくことができました。

主張しすぎず、光の加減できらりと輝く印影はモダンな印象で、
夏の蓮池の水面や、朝露の煌めきを連想させます。

川村1

印文は「川邨(村の本字)」
画中に作家の銘が刻み込まれることで、作品に命が吹き込まれます。

作品への押印に引き続き、川村氏には箱書きもしていただきました。
今回の作品はモダンな掛軸ですが、箱は正統派の桐箱をご用意いたしました。
こちらには、作品中のものとはまた違った印を押していただいています。

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本日は、いよいよ明日に向けて会場設営をいたしました。
夕方には川村氏にも来廊いただき、展示を最終調整。
開催を迎えるばかりです。

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川村悦子「蓮×聯」は、コンラッド・ヨン・ゴードリー展に続き、京都・東京・福岡の3店舗で開催いたします。
皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております。

【ぎゃらりぃ思文閣】
 会期: 2014年6月21日(土)-7月6日(日) 10:00-18:00 会期中無休
 地図 http://www.shibunkaku.co.jp/gallery/access.html

 【思文閣銀座】
 会期: 2014年7月10日(木)-20日(日) 10:00-18:00 会期中無休
 地図 http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html

 【思文閣福岡】
 会期: 2014年7月26日(土)-30日(水) 10:00-18:00 会期中無休
 地図 http://www.shibunkaku.co.jp/shop/map_shiten.html


プロフィール

shibunkaku

Author:shibunkaku
思文閣社長 田中大と思文閣のスタッフによるブログです。
思文閣は古美術・古典籍売買、美術館・ギャラリー運営、出版業など多様な事業を通して、日本文化の継承につとめています。

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