琵琶一

04 12, 2014
先日、倉庫で探し物をしていると、たまたま「近江国細見図」という琵琶湖とその周辺の都市や
街道・名所旧跡などを描いた地図(木版)が目に留まり、その地図を広げながら、十年以上前、
まだ学生の頃に自転車で琵琶湖一周したことをふと思い出しました。
(注:サボっているわけではありません。)

img1.jpg

京都・滋賀付近に住む、少々体力と時間の余っている人間にとって、琵琶湖一周は格好のチャレンジ(暇つぶし)で「琵琶一(ビワイチ)」の愛称で親しまれ、居酒屋で得意げに話す学生もよくいます。
「一日で回ってきた」なんて言う友人がいたので、なんだそんなものかと思い、地図も持たずロクな準備もせずに出発。あまりの過酷さに殆ど観光もできず、回りながら準備不足をとても後悔したことが苦笑いとともに思い出されました。

後々聞くと、琵琶湖をほぼ一周しようとすると、どんな回り方をしても160km~200km位あるらしく、そりゃあどんなに漕いでも中々ゴールしないわけです、、、。

この「近江国細見図」が作られた当時(寛保二年刊)に琵琶湖一周しようなんて事を実行した人が
どの位いたのかは定かではありませんが、徒歩での達成は困難を極めたことでしょう。
しかし、湖岸付近だけでも、彦根城や石山寺、三井寺など見所は多く、そして東海道五十三次の宿場の一つである大津宿、草津宿などの宿場町もあります。
当時の人たちは、今とは比べ物にならない苦労・危険に直面ながらも、それに負けないくらいの楽しみや達成感を感じてこの琵琶湖岸を歩いたのではないでしょうか。

少々体力に自信がなくなりましたが、いくらか大人になった今、今度はしっかり地図を持って、名所旧跡を訪れながら当時の自分や江戸の旅人に思いを巡らし、もう一度琵琶湖を一周してみようと思います。
 、、、、、、車で。

(西原)

ポジャギとチュモニ展

04 01, 2014
先日、高麗美術館の新春企画展「ポジャギとチュモニ展」を見に行ってきました。

写真1

「ポジャギ」とは、ものを包んだり覆ったり飾ったりする四角い布のことで、
日本でいう風呂敷やふくさ、ふきんに相当する役割をもつものです。
朝鮮時代の18世紀頃からさかんになったとされ、「袱(ポク)」とも呼ばれたポジャギは、
「福(ポク)」に音が通じることから、幸せを呼ぶものと伝えられてきました。
一方「チュモニ」とは、袋物のことを意味します。
このたびの展示は、韓国刺繍博物館のコレクションと高麗美術館のポジャギ計85点に、
現代作家の作品15点を加えた総計100点の品々が紹介されていました。

写真2

ちらしのポジャギは、端切れを縫いつなぎ一枚の布に仕上げるパッチワークのポジャギで、
「チョガッポ」と呼ばれるものです。展示説明にもありましたが、
パウル・クレーやモンドリアンの抽象絵画ともどことなく重なりました。
モノトーンで落ち着いた風合いの麻のチョガッポが白磁とともに展示されていた場面が
あったのですが、調和の美しさに思わず足をとどめ長く見入ってしまいました。
左側の水色の袋は、お土産に買ったチュモニです。

対象物に精魂を込めることは、一種の誠を尽くす行為とみることができ、
真心を込められた対象は招福の媒介になる、という俗信が印象的でした。
小さな端切れも大事につかい、布をいとおしんだ古人の精神、幸せを願う心。
真心から生み出された表現に、心動かされたひとときでした。

(平野)

思文閣大交換会、入札締切迫る!

03 13, 2014
平成26年3月の思文閣大交換会。
おかげさまで、2009年の第1回から数えて20回目の開催となりました!

kokankai201403.gif

入札の締切は今週末、3月16日(日)17:00(必着)です。
残すところ、あと3日となりましたので、入札を検討されていらっしゃる方は締切にご注意下さい。

オンライン入札目録では、高精細な画像で細部まで作品をご覧いただけるほか、
豊富な検索機能で、お求めの作品を探しやすくなっております。

オンライン上で作品をご覧いただきながら、そのまま入札申込ができるオンライン入札目録。
この機会に是非ご利用くださいませ!


下見会は思文閣本社とぎゃらりぃ思文閣で、入札締切まで開催しております。

思文閣本社では書画作品を展示しております。
1403交換会2

1403交換会3

ぎゃらりぃ思文閣では、お茶道具や調度品など工芸作品をご覧いただけます。
1403交換会1

是非会場に足をお運びいただいて実物をご覧いただければと思います。
下見会場でもご入札いただけますので、是非お越しくださいませ!

【下見会場】 思文閣本社・ぎゃらりぃ思文閣 地図        
  【会期】 2014年3月1日(土)-16日(日) 10:00~18:00 ※最終日は17時まで
         お問合せ先:思文閣京都本社 TEL:075-531-0001

文化ボランティアの話

03 01, 2014
少し前の話になりますが、久しぶりに参加した文化ボランティアについて書かせていただきます。
参加したボランティアは、大本山建仁寺塔頭霊源院『特別公開と文化財高精細複製品展示』の運営サポートです。

1-1.jpg
(特定非営利活動法人 京都文化協会 
 http://kyo-bunka.or.jp/event2013seiraiin_reigenin_autumn.html より引用)

建仁寺は建仁2年、源頼家によって創建され、大徳寺の一休宗純が幼年時代に学んだことでも知られています。霊源院の一般公開は今回が初めてということでした。
本坊の方から入るとかなり奥まった場所に位置しているため、拝観者はそれほど多くないのではと思っていたのですが、拝観開始時間の午後1時前には、入り口に行列ができるほどでした。

『最高の言葉(仏の教え)が人々の間に広まっていく』という意味の、一休禅師による墨跡「錦心繍口向人開」(きんしんしゅうくひとにむかってひらく)が掛けられていたほか、
塔頭の特別公開とともに目玉となっていたのが、狩野永徳筆 国宝『上杉本 洛中洛外図屏風』(米沢市上杉博物館所蔵)の高精細複製品の展示でした。
複製品ですのでガラス越しではなく間近に見ることができ、写真撮影も許可されていたため、多くの拝観者が写真を撮られていました。

1-2.jpg
(特定非営利活動法人 京都文化協会 
 http://kyo-bunka.or.jp/event2013seiraiin_reigenin_autumn.html より引用)

ボランティア4人のうち、2人は会場受付とグッズ販売、2人は接待で、私は後者でした。
京菓子司「松壽軒」さんのご協力により、一日限定30食の一休ぜんざいと番茶をお茶室でふるまうという企画で、ご住職のお母様がお台所で用意されるおぜんざいと番茶・塩こぶをお客様にお出しするのが私の主な仕事でした。
ご住職が拝観者の質問に丁寧に答えられ、ご本尊や本堂に掛けられている掛け軸、朝鮮通信使から贈られた「文明」の額について解りやすく説明されている間、私達ボランティアはおぜんざいの接待に専念しました。
お椀を洗うのが間に合わないほど盛況で、松壽軒さんにお願いして、追加のあんやお汁を持ってきていただき、6時の受付終了間際までお出ししました。
お相手のボランティアの女性は学芸員のボランティアもされており、お台所で働きながら、色々なお話を聞かせてくださいました。

日没後5時過ぎにお庭がライトアップされ、近隣の小学生によって作られた甘露庭が昼間とは違った幻想的なお庭となりました。
拝観者が帰られた後、ご住職から小学生にお庭を作ってもらった経緯や、そのお礼に蛍を放って見せてあげたお話を伺いながら、ゆっくりとお庭を眺めることができました。
写真を撮る余裕はなかったので、ここで紹介することができず残念です。

京都市文化ボランティア制度はスタートして11年になるそうです。
私は登録してから4年目になりますが、これまで上京歴史探訪館・市民狂言会の運営サポート、コンサートの受付などに参加しました。
人見知りな私が、ボランティアに参加される方々とは不思議と初めてお会いしてもすぐに作業に取り掛かれ、気持ちよく働けます。
一線を退かれた方が多く、50過ぎの私が若輩者になるぐらいです。
若い方達の参加が増えると更に活性化するのではないかと思います。

京都市文化ボランティアは、一度登録すると、定期的に参加募集のお便りが届き、参加希望を返信するというシステムです。
京都市民以外の方でも応募できますので、「おもてなし」の心で文化活動に参加してみようと思われた方は、是非一度チェックしてみてください。

京都市情報館 「文化ボランティアって何?」
京都市情報館 文化ボランティア申込

(横井)

向井潤吉展、開催中です

02 14, 2014
今回は、現在ぎゃらりぃ思文閣と思文閣オンラインストアで開催しております、
「向井潤吉『花と龍』挿絵原画展 Part1」および特集についてご案内いたします!

onlinestore


『花と龍』は芥川賞作家 火野葦平による自伝的小説で、読売新聞朝刊に
昭和27(1952)年6月20日より翌年5月11日にわたり連載されました。

作品は、明治中期から戦後の北九州若松を舞台に、著者の父である玉井金五郎と妻のマンが、
自らの信念をつらぬく、波乱に満ちた生涯の物語です。
新聞連載中にも大きな話題となりましたが、その後も石原裕次郎や高倉健などの名優が演じる
映画やテレビドラマになるなど、根強い人気を誇る作品です。

新聞連載にあたって、324話すべてに向井潤吉による挿絵が添えられました。
向井潤吉といえば、茅葺き屋根の古民家を描き続けた風景画家としてよくご存じの方も多いのではないでしょうか。
本作においては、人物、風景、静物などがひとつひとつ丁寧な筆致で描かれており、
明治から昭和に至る大衆風俗を生き生きと映し出しています。

今回は物語の前半部にあたる第一部の挿絵、約100点を、ぎゃらりぃ思文閣とオンラインストアにてご紹介しております。
作品の現物は、2月22日(土)まで、ぎゃらりぃ思文閣(京都)にてご覧いただくことができます。

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『花と龍』第六十四回挿絵 「金五郎とマン」 (このように額装にて納品いたします)


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『花と龍』第六十九回挿絵 「製鉄所」

ぎゃらりぃ風景1

ぎゃらりぃ風景2

向井潤吉『花と龍』挿絵原画展 Part1
会期:2014年2月3日(月)~22日(土)日祝休廊
営業時間:10:00-18:00 
問い合わせ先 ぎゃらりぃ思文閣 TEL:075-761-0001  アクセス

お気軽にお電話にてお問合せください。
後半部にあたる第二部の公開は、今夏を予定しております。
ぎゃらりぃ思文閣と思文閣オンラインストアへのお出で・アクセスをお待ちしております。
プロフィール

shibunkaku

Author:shibunkaku
思文閣社長 田中大と思文閣のスタッフによるブログです。
思文閣は古美術・古典籍売買、美術館・ギャラリー運営、出版業など多様な事業を通して、日本文化の継承につとめています。

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